弱視にも治療方法があることを知ってください

人間は、生まれた瞬間から目がいい訳ではありません。新生児のときには0.02くらいしかない視力がゆっくりと発達し、3歳の終わり頃に1.0まで上がります。ただ、乳幼児期に目の病気や強い遠視、斜視などがあると視力が正常に発達しなくなってしまいます。メガネをかけても視力が出ないこの状態のことを弱視といいます。

弱視は「見えない」「治らない」といった思い込みをされがちですが、それは誤解です。視力の成長が止まってから弱視の治療を始めた場合、あまり治療の効果が期待できないことも考えられます。ですがこれは、裏を返せば治療を始める時期が早ければ早いほど回復する確率も上がるということになります。また、実際に治療してみなければどのくらいまで視力が発達するかは分かりません。治療したことで1.0くらいまで視力が上がることもあれば、0.7くらいまでしか上がらないこともあるでしょう。どちらにせよ、治療をした方がよく見えるようになるというのは確実です。「弱視だから視力は回復しない」と諦めることなく、少しでも視力が発達する方法を選ぶことをおすすめします。

遠視や乱視などの屈折異常がある場合は、メガネをかけてしっかりとピントの合った像を結べるように治療を行います。近視を矯正するメガネとは異なり、かけた時点ではっきり見えるものではありませんが、ずっとかけているうちに徐々に視力が上がってきます。もう1つ、視力がいい方の目にアイパッチをして、弱視の方の目のみを使う健眼遮蔽法という治療法もあります。これはあえて視力が悪い方で見て、視力の成長を促す方法になります。

もし子どもに弱視の兆候があったら、視能訓練士のいる病院に行きましょう。視能訓練士は子どもの気をそらさないよう楽しく、かつテキパキと進めてくれる「目の検査の専門家」ともいえる存在です。診察で忙しい医師の代わりに患者と関わる時間も多いため、視能訓練士のいる病院の方が弱視の対応に慣れているといえます。視能訓練士は国家資格。そのため、充実の設備と環境で視能訓練士を育てる専門学校、大阪医専などで知識や技術を身につけてプロフェッショナルをめざす人が多いようです。

子どもが無理なく楽しく治療に取り組めるかどうかは親次第です。小さい子どもにメガネをかけさせるとはかわいそうといって治療を途中でやめてしまう人もいるようですが、その視力のままでずっと生活していく方が大変です。将来のことも考えて、治療に取り組んでいくことが大切になります。